中・下流域は川幅が広がり水深も深くなり緩やかに流れている。
上流域の大きな岩に変わって、川底が砂や泥が多くなり、それに伴って多様な環境になっていて、実に多種多様な動植物が生息している。
また川の近くには田んぼや畑に流れ込む農業用の水路や、ため池なども多く見られる。
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種別:カツオドリ目 ウ科
学名:Phalacrocoracidae
大型の水鳥で、全長は50~100cmに達する。
身体を覆う羽の色が黒や暗緑色などの暗色。
この鳥は水に適しており、器用に素早く潜水し、魚を捕食する。
また嘴(くちばし)は長く伸び先端部が鉤状に尖っている。
食性は肉食性で、主に水中に潜り、魚や甲殻類、貝類などを捕食する。
ちなみに鵜を使って魚を獲る日本の伝統漁法である鵜飼があり、岐阜県長良川鵜飼が有名である。
種別:スズキ目 カワスズメ科
学名:Oreochromis niloticus
比較的流れの穏やかなな川を好む。数匹から数十匹の群れで泳いでいる。
体には横帯があり、尾びれにも、横帯がある。水温や塩分の変化にも非常に強い。
産まれた稚魚は親(雌(めす))の口の中で育てられる。
体長は大きいもので50cmに達する固体もある。
食性は主に藻類を食べ、デトリタス、昆虫類、小型の甲殻類も食べる雑食性。
種別:コイ目 コイ科 カマツカ亜科
学名:Squalidus chankaensis biwae
体長が12cmほど。
生息域は比較的水深のある湖沼中層域に生息しており、イトミミズ、デトリタスなどを捕食している。またコイ科の魚の特徴として一対の短い口ヒゲがあり、喉部が角張っているのが特徴である。
元々は琵琶湖の固有種とされているが各地に移植されている。
分類:スズキ目 ハゼ科
学名:Tridentiger obscurus
全長が8cmほどのハゼ科の淡水魚。
他のハゼに比べると太く短いずんぐりとした体形が特徴である。
体には褐色の地に白斑が散在し、主に流れの緩やかな汽水域を好む。
水の汚れにも比較的強く都市の川や港でもよく見かけられる。
食性は雑食性で、主に小動物や藻類を食べる。昔から食用として用いられ、佃煮や天ぷら、味噌汁など様々な料理に利用されてきた。
また飼育しても面白いが、自分より小さい動物を捕食するので飼育するならば単独での飼育が望ましい。
分類:コイ科 カマツカ亜科
学名:Hemibarbus barbus
コイを細長くしたような体型をしている。
主に緩やかな流れの河川川や湖沼などに生息する淡水魚。全長は大きいもので60cmに達する。
体色は緑色がかった褐色でコイと同様一対のひげを持つ。コイとの違いニゴイは口先が下に向いてる。
砂底がある川や池を好み、わりと水底近くを泳いでいる。
食性は雑食性で、小魚、水生昆虫などを食べる。
どちらかというとコイよりもカマツカに雰囲気が近い。
背びれが小さく三角形をしており、尾びれの二又の切れ込みがコイより深いのが特徴である。
学名:Rhodeus ocellatus
分類:コイ目 コイ科 タナゴ亜科 バラタナゴ属
名前のとおり中国が原産のタナゴである。1940年代に日本に移入され、現在では全国各地に分布している。
全長約5~8cm前後で魚体の側面に短い青緑の線が入る。
河川のコンクリート護岸や水質の悪化により、個体数が減少している。
日本固有種であるニッポンバラタナゴ(Rhodeus ocellatus kurumeus)とタイリクバラタナゴはは容易に交雑するため、純真なニッポンバラタナゴの絶滅が危惧されている。
学名:Carassius auratus ssp
分類:コイ科コイ亜科フナ属
全長15cmほどのコイ科の淡水魚。昔より慣れ親しまれた魚で日本固有亜種である。
ギンブナやゲンゴロウブナに比べ、数は少なく準絶滅危惧種である。生息域は河川の中・下流や用水路といった緩流域や浅い池沼に生息する。体色はその名のとおり金色。主に底層を好む。
産卵期は3~6月で、河岸や湖岸の浅瀬で群れをなして水藻やヨシやマコモなどの茎や葉に卵を産み付ける。
学名:Pseudorasbora parva
分類:コイ目 コイ科 モツゴ属
一見するとムギツクに似ている。
口先から尾びれまで伸びる黒色の縦条や体型などは一見するとムギツクに似ている。
全長は8cm前後で最大でも11cmくらい。
黒色の縦条は成長につれて薄れていく。
もともと黒色の縦条がない固体も存在する。生息域は湖沼や河川下流域や流れの緩やかな用水路などに生息する。
食性は雑食性で、主にプランクトンやアカムシなどの小型水生昆虫、付着藻類などを食べている。繁殖期は4~8月。
学名:Niwaella delicata
分類:コイ目ドジョウ科 アジメドジョウ属
全長が10cmくらいの日本の固有種のドジョウである。
体の形状は他のドジョウと比べ細く、一見するとシマドジョウに似ている。
食性は雑食性で、主に藻類等を食べる。
学名:Zacco platypus
分類:コイ目 コイ科
コイ目 コイ科の魚で、動きが非常に素早く、割りにどこの川でも見かけることが出来る魚。
ふ化してから2~3年で成魚になり、食性は付着藻類や流れてくる水生昆虫や陸生昆虫を食べ、産卵期は5月下旬から8月下旬に岸よりの浅い砂礫底に卵を産む。
学名:Pungtungia herzi
分類:コイ目 コイ科 ムギツク属
体長が10~15cmくらいの川の上・中流域に生息する淡水魚。
主に流れの緩やかな場所を好み、用水路などに数匹から数十匹の群れで作り生息している。
身体的な特徴は口先から尾鰭まで1本の太い線があり、コイ課の魚の特徴として下顎に一対の髭がある。オイカワやカワムツに比べ口先が細長く尖り、口が小さい。
そのため別名クチボソともいわれている。
食性は水生昆虫や藻類などを石をつつきながら食べる。繁殖時期は4~6月頃に水草や石のなどに卵を産みつける。ドンコの巣に托卵することもある。
学名:Nipponocypris temminckii
分類:コイ目 コイ科
全長が10~15cmほどの淡水魚。
川の上・中流域に生息しオイカワなどと一緒にいることが多い。
細長い体型には1本の紺色の帯がある。
カワムツは川や湖沼などにも生息するが、オイカワやヌマムツ比べ、水質が良く、流れが緩やかなところを好む。
川の岸よりの草際を好み、食性は肉食性で水生昆虫、流下昆虫などを捕食する。また藻類や水草を食べることもある。
学名:Pseudogobio esocinus
分類:コイ目 コイ科 カマツカ亜科
カマツカはコイ科の淡水魚で、ハゼ科ドンコ、ヨシノボリと同様根魚である。
大きいものになれば体長が20cm程になるものもいる。
細長い魚体と、下に伸びた吻(くちさき)そしてその吻には鯉のように一対のヒゲがある。生息域は中・下流域の流れが比較的穏やかな砂底を好み、水生昆虫や砂底の有機物を砂ごと口から吸い込んで食べる。
カマツカは下に突き出た吻(くちさき)で砂底の餌を忙しく食べる姿がなんとも愛らしく、愛嬌がある魚だ。
このカマツカは別名スナモグリと言われるくらい川底の砂底に潜っていることが多く、なかなか発見しにくい。
学名:Myocastor coypus
分類:ネズミ目(齧歯目) ヌートリア科
ヌートリアはネズミ目(齧歯目)ヌートリア科に属する哺乳類。
体長は40~60cmくらいに達し尻尾の長さは30~45cm。ヌートリアは水辺の生活に適応しており、泳ぎが得意で5分以上水中に潜水することもできる。
本来日本には分布していない外来種。
学名:Ciconia boyciana
分類:コウノトリ目 コウノトリ科
全体は丹頂鶴とよく似ているが、風切羽が黒い。
足は赤く、頭の部分も白。食性は主に水生動物などを食べる。鳥としては珍しく成鳥になると鳴かなくなる。
そのかわりに「クラッタリング」と呼ばれるくちばしを激しく開閉して叩き合わせ音をだす行為をする。これは主に仲間との合図に使用されている。
国内においては人工飼育以外のコウノトリは国内にはいないものと思われる。
人工飼育で放たれたものと渡り鳥として東アジアなどから渡来するものが唯一観測される。国の特別天然記念物に指定されている。
学名:Alcedo atthis
分類:ブッポウソウ目 カワセミ科
体長は17cmくらいの水辺に生息する鳥で、鮮やかな水色の羽根をしている。
日本では北海道以外では、ほぼ1年中見ることができ、主に海岸、川、池、湖などの水辺を生息場所としているが、たまに都市部の公園の池などにも、ひょっこり現れたりする。
飛ぶときの特徴は水面近くを速く直線的に飛び、鳴き声は「チッツー、チー」食性は魚類や水生昆虫で、水辺の石、枝の上などから、一気に水中に飛び込み長いくちばしで獲物を捕らえる。
ときには空中にホバリングしながら魚を狙い、そのまま水に飛び込む時もある。バードウォッチャー達に愛されてやまない鳥である。
学名:Motacilla alba lugens
分類:セキレイ科
体長20cmくらいの細身の鳥で、頭から背中にかけては黒っぽい灰色で、お腹は白色で、胸の部分は黒。頬は白く、目尻から後頭部にかけて灰色のラインがあります。
同じく河原などで見かけるセグロセキレイとよく似ているが、セグロセキレイは頬の部分がほとんど真っ黒なのに対し、ハクセキレイは頬の部分が白。主に水辺(特に下流域)に生息しているが、水辺がすぐ近くにある場所なら畑、田んぼ、市街地などでもよく見ることができる。
食性は雑食性で、水中のや岩陰や土の中に潜む虫やクモ、ミミズなどを主に食べる。セイキレイの仲間の特徴として、尾羽を上下にピコピコ振る習性がある。鳴き声は「チュチン、チュチン」と飛びながら鳴く。
学名:Andrias japonicus
分類:オオサンショウウオ科 オオサンショウウオ属
世界最大の両生類です。
夜行性で昼間は岩穴などに隠れています。夜になると川底を歩き、魚、カエルなどを食べます。動きは遅く、魚を追いかけて捕らえることは出来ません。
じっと岩になりすまして、近くを通った魚をバクっ!と食べます。国の特別天然記念物に指定されています。
学名:Plecoglossus altivelis altivelis
分類:サケ目 アユ科
サケ目・アユ科に分類される魚で、川と海を回遊する魚です。
秋ごろ卵からかえって、すぐに海に下ります。そして翌年の春頃まで海で生活し、水温が上がった春頃にいっせいに海から川へ上がってきます。
食性はふ化してから翌年の春頃までは浮遊動物や水生昆虫などを食べますが、夏頃からは川の中流域になわばりを作り、そこへ生える藻類を食べるようになります。
学名:Odontobutis obscura
分類:スズキ目 ドンコ科
スズキ目ドンコ科に分類されるハゼの一種で淡水生の魚である。
大きくなれば20cmを超え、日本の淡水ハゼ類としてはカワアナゴに匹敵する大きさになる。
夜行性で昼間は岩石・流木、水草の下等の物陰に潜んでいることが多く胸びれは扇形で大きく発達していて腹びれは二つに分かれている。鳴き声は「グーグー」と鳴く。
学名:Rhinogobius
分類:ハゼ亜目 ハゼ科ヨシノボリ属
主に淡水域、汽水域に多く生息するハゼ科の魚で、日本各地の河川、湖沼、河口まで上流下流を問わず幅広く生息し、都市部近くに流れる河川でもよく見られ、私達人間には身近な魚である。
食用や観賞用に飼うケースもある。体長は10cm前後で体の模様は実に様々なパターンがあり、顔の鼻から目にかけて黒または赤などの線が数本走っている。(無い種もある)特徴としては速い流れの川でも腹の吸盤で川底の石にはりつくことができ、生息することができる。
食性は主に肉食性で、昆虫、エビ、ミミズなどを主に食べる。また他の魚の卵や稚魚なども食べる。繁殖期になるとオスはナワバリを持ち、そこに入ってくる他のオスを追い払い、自分のナワバリにメスを誘い川底の石などの下に作った巣で産卵をする。
ときに人間が捨てた空き缶などにも巣をつくることがよくある。
産卵が終わると、オスが、ふ化するまで卵を守る。ふ化した稚魚はそのまま海へ降河し、海で成長し再び川をさかのぼってくる。しかしイワナやアマゴなどに見られるように降河しない種もいて興味深い。
学名:Macrobrachium
分類:エビ目 テナガエビ科テナガエビ属
主に暖かい地方の淡水や汽水域に生息する大型のエビで、体長5cmくらいから大きいものでは20cmくらいまで成長するものもいる。
名前の通り成長すると鋏脚が非常に長くなり、体の色は幼体の時は半透明に黒いスジがあり、大人になると緑褐色になる。
主に夜行性で、昼の間は川底の岩陰などに潜み夜になると餌をとりにいく。
またナワバリ意識も非常に強く、他のテナガエビが自分のナワバリに入ってくると追い払う。食性は肉食性で、水生昆虫や小魚を長い鋏脚捕まえて食べる。
食用としては唐揚げなどにするとおいしい。また食用以外にも観賞用として飼育する人もいる。繁殖期は5~9月。
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