現在のページ : ホーム » カヤックに乗ってみよう! » ダウンリバーに挑戦しよう!
ダウンリバーはとても楽しい。
川の表情は刻一刻と変わり、何一つとして同じものはありません。
また自然にふれるという点でも、他のアウトドアスポーツ中でもカヌー・カヤックは群を抜いていると思います。
なんともいえない美しい河原・・・。そこはカヤックでしか行くことのできない中州があったりします。見たこともない美しい流れ込みや、一枚岩の上を速い流速で綺麗な水が流れていく風景など・・・
そして急流に入る前の緊張感、漕ぎ抜けたあとの達成感は何年やっても変わることなく高い満足感を与えてくれます。「こんな面白いものは他にはない!」と思うのです。しかしながらいいことばかりではありません。相手が自然なだけに、楽しい反面、危険も付きものなのです。川の危険性や性質をしっかり熟知したうえで、自分のスキルなどを総合的に照らし合わせてみて、初めて楽しめるものなのです。
カヤックでのダウンリバーは、日常私達が経験したことがない感動があります。
そのかわりに、しっかりと川の危険性を認識していないと、とりかえしのつかない事故につながります。
川における水難事故は毎年のように発生しています。それらの事故のほとんどは川の危険性に対する認識不足からきています。
また川は自然相手であり、「人間の手で管理された、遊園地やスキー場ではない」ということを頭に入れておいてください。
さまざまな流れや障害物など、川にはいろいろな表情があります。また川は水量が増えるとその表情がまるで一変するのです。まるで天使が悪魔にかわるように・・・。そんな時「自分の技量を超えているな・・・」と少しでも感じたら、迷わずに止める勇気というものが絶対的に必要です。このことをしっかりと頭にいれておいてください。
カヤックの自分の技量は、自分自信ではわかりにくものです。「こんなテクニックで大丈夫か?」「こんな知識で本当にいけるか?」などの不安も大いにあると思います。
そんなときは、カヤックの経験が豊富な人に見てもらうか、カヌーショップに相談してみましょう。
ダウンリバーの場合、少なくとも2人以上の人間で行くようにしましょう。
それは不意の事故が起きた場合1人では対処しきれないということと、車の回送が必要になるからです。
また出来れば、カヤックの経験が豊富な人を伴ってのダウンリバーが最も理想的です。とくに初心者の人は行く川がすべて初めて下る川となるわけですから、いろんな場面を想定しとかなくてはなりません。
ほとんどのカヤッカーの人達が何人かのグループで、ダウンリバーをおこなっています。もし相手が見つからない場合は、最寄りのカヌーショップに相談してみるのもよいでしょう。
下れそうな川を「全国リバーツーリング55マップ(Outdoor)」などでチョイスします。
この本には川の情報はもちろん、川に関係する施設、アクセスなども詳しく載っていますので、参考にするといいでしょう。また、カヤックの経験が豊富な人で、しかもその川を何回も下っているという人のアドバイスを求めるのが一番いいと思います。
しかしこれらの情報も、ひとたび大雨・増水となれば、すべて無効になる・・・。ということを覚えておいてください。初心者コースが1回の雨で、上級者コースに様変わりすることはよくあることなのです。そんな時は迷わず、ダウンリバーを中止することも大事なことです。川は逃げません。またの機会に下ればいいことです。
また、下る川をチョイスする場合、「この川のここから、ここまでは初心者が下っても大丈夫。」「ここから下の区間は上級者のみ」という1本の川でも部分的違いがあることも、しっかり覚えておきましょう。
初心者の人は川を下る場合、時間の配分が解りにくいと思います。
これはだいたい自分の漕ぐスピードとか、休憩時間などを考慮に入れて時間の配分を決め、「何時に出発して」、「何時に上がる」かということです。
少しオーバーな表現かもしれませんが、ダウンリバーの場合、暗くなってしまうと、どうにもならなくなってしまいます。前方が見えなくなり、ストレーナーなどの障害物も確認できないばかりか、上がるポイントさえ見落とす可能性が出てきます。
ダウンリバーの場合は、暗くなる前に上がるというのが上級者、初心者に限らず鉄則です。
はじめのうちは、少し多めに余裕を持ち、短い距離から初めましょう。
カヤックでダウンリバーする場合、日帰りの場合でも結構道具がかさばります。
カヤック、パドル、ライフジャケット、ヘルメット、ウェットスーツ、ドライスーツ、ウォーターシューズ、スローバッグ(レスキューロープ)、ドライバッグ、食糧(弁当など)、飲み物、ファーストエイドキット、保険証のコピーなど・・・。このほかにも自分が必要と思う物・・・。
またキャンプする場合はキャンプ道具や食糧品、その他生活必需品も必要になってきます。
コンパクトに無駄なく、しかし必要な物は必要・・・。といったように道具を選び持って行きましょう。特にカヤックの場合、何か1つでも忘れると、もうカヤックすることが出来なくなることがあります。家を出る前にもう一度しっかりチェックしておきましょう。
トランスポートとは2台の車をそれぞれ川の出発点とゴール地点に止めておき、ダウンリバーが済んだら、ゴール地点で着替え、そしてカヌーを積んで出発地点に置いてある車を回収にいきます。
出発地点で自分の車にカヌーを積み替えてそれぞれ帰る。というものです。日本のだいたいの川は蛇行して流れています。ダウンリバーで半日かかる距離でも(もちろん瀬で遊びながらですが・・・)車だと回送するのに10分くらいのところもあります。場合によっては歩いて行ける距離のところもあります。
また1台の車に何人か便乗してダウンリバーにいくケースもよくあります。というのも高速代もバカになりませんし、ガソリン代も何人かで行けばずっと安くつくからです。それに車の中で、仲間達と川に着くまで和気あいあいと、カヤックの話が出来、おのずとテンションがあがり楽しさも倍増します。さて「じゃあ1台の車でどうやって回送するのよ~」なんて思われるかもしれませんが、答えは簡単。歩いて行けばいいのです・・・。
まずスタート地点に車で行きます。そこで全員のカヤックとパドル、ライフジャケット、スプレースカート、ヘルメット、ドレイバッグ、弁当等を降ろし、カヤックのコックピットの中に全部入れておきます。他の人の邪魔にならないところにこれらをまとめて置きます。そして全員がその場でウェアに着替えて、服を車の中に入れていきます。1人がカヤックのところに残り見張りをします。その際、貴重品も預かってもらいます。あとの人が車を運転してゴール地点に向かいます。
ゴール地点に着いたら。車を置き、歩いてスターと地点に戻れば完了です。
また電車、バスなどの交通機関を使って戻るという手もあります。あらかじめ調べておきましょう。これらの情報も「全国リバーツーリング55マップ(Outdoor)」などに載っていますので参考にしてください。
このやり方のメリットはダウンリバーが終われば、「回送なしですぐ帰れる」というのと「高速代やガソリン代もワリカンにでき安上がりになる。」という点ですね。